Salon du Sake et de la Culture

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学びの貯金箱

ワイン

学びの貯金箱とは

ソムリエ協会のテキスト, 日本酒サービス研究会(SSI)のテキストは常に立ち返る知識のベースであり、
ル・コルドン・ブルー料理学校の経営を通しての数々の食に関わる体験はまちがいなく自分にとって財産であり、
ブルゴーニュの国際ワインスクールでの学び、各国のワイナリーを訪れた経験や酒蔵研修・酒蔵訪問で学び得た生きた知識は土台となっています、
でもやっぱり、生徒さん・受講生から出た生の声、質問は、つねに新鮮で、自分ではもちえなかった見方、視点を示してくれて、絶えず学び続け、考察・理解を生きた深い学びとして保ち続けるには最高の題材だと感じるのです
ましてや、質問に出逢ったときの自分の回答が100点には程遠かった場合にはなおさら
謙虚に学びを深め、書き留めて長く忘れずにいたい、そして皆さんと分かち合いたい。そう思うのです。

米からできる日本酒が何故フルーティーな香りがするのですか?
(読売カルチャーセンター 日本酒講座にて)

  • 日本酒の原料は米でフルーツは含まれていないが、実際には非常にフルーティーで豊かな香りをもつものがあり、吟醸香と呼ばれる。このフルーティーな吟醸香が日本酒の香味トータルとして若い世代や女性にも好まれる日本酒を形づくっている。
  • アルコール発酵をさせる酵母には、香り成分を生み出す作用もある。酵母から排出されるアルコールに、フルーティな香りの元となる香気成分(主にエステル類)が含まれている。この酵母に含まれる香気成分は、実は果実や花などの植物特有の香りとなる成分と同じなのである。
  • 米の表層にはたんぱく質や脂質などの栄養分が含まれているが、それらが多すぎると香りの成分を殺してしまう。そのため、フルーティな日本酒を造るときには、コメをよく磨く必要がある。
  • 吟醸造りによって発生する吟醸香には、りんごの香りといわれる「カプロン酸エチル」、バナナのような香りの「酢酸イソアミル」が含まれている。最近では、吟醸酒や大吟醸酒の主な香気成分は、カプロン酸エチルを主な香りとする傾向あり。ただし他にもさまざまな香気成分が含まれていて、洋ナシやメロン、白桃など多様。また果物だけでなく、バラなどの優美な花の香りが含まれることもあり各日本酒の個性となっている。なお同じエーテルでも量に応じて異なるフルーツを感じさせるという報告もある。
  • フルーティーな日本酒を主に造る製法、吟醸造りとは、よく磨いた米を長時間低温で発酵させることで「吟醸香」を発生させる醸造方法。10度前後の低温で1ヶ月近い時間をかけてゆっくり発酵することにより、フルーティな香りとなる成分を蒸発させずに、液体のまま醪(もろみ)の中に蓄積できる。また、アルコール発酵に最適な温度(最近の大学の研究では40度前後 通常は25-30度で活発になると考えられてきた)よりも低くすることで、酵母が吟醸香となるアルコール成分を生成しやすくなるといわれている。
  • なお、日本酒のフルーティな香りは、吟醸造りでなくても発生することはある。そのため、純米酒や本醸造酒もフルーティな香りを個性として持つ銘柄はある。

ウイスキーは樽で熟成するから樽の色で琥珀色になるのは解りますが、日本酒の古酒は何故茶色っぽくなるのですか?また何年目から古酒になりますか?
(読売カルチャーセンター 日本酒講座にて)

  • 蒸溜した直後のウイスキーは、無色透明であり、樽に詰めて貯蔵庫で熟成させるあいだに樽材に含まれているタンニンなどの成分が沁みだして琥珀色になっていく。また新樽の場合、内側を焼いて使うので、その影響も。
  • 一方、熟成酒・古酒の特徴は、琥珀色、飴色、茶色のような色とその変化 色の変化の正体は、日本酒に含まれる糖分とアミノ酸が引き起こす、褐変(かっぺん)反応(=メイラード反応)であり、これは身近な現象で食品の加工や貯蔵の過程で褐色の物質が生まれる反応を指す たまねぎを炒めたら飴色になったり、ご飯を炊いたおこげが茶色くなるのと原理は同じ。熱を加えると早まり、常温でもゆっくりと進行する反応である。
  • また次の質問である、古酒とは、については一般に3年以上熟成させた日本酒や泡盛などの酒を指し、熟成により色が濃くなり、まろやかで複雑な香味を持つ酒を呼ぶが、酒税法上の厳密な統一規定はなく、酒の種類、業界団体で、定義が異なる、ゆえに2年熟成でも古酒と呼ばれるものもある。新酒の定義は同じ製造年度に出荷される酒なので、日本酒の場合は、古酒と新酒は正確に時間軸で対比される概念ではないとも言える。

風邪で鼻がつまっているとお酒も食事もおいしくないのですが、味と香りの関係はどうなっているのですか?
(東京 商社向け ワインセミナーにて)

  • たとえばコーヒーを鼻をつまんで飲むとほとんど味は感じないところから、香りと味は別々のものではなく合わさって美味しさを形づくっていると考えています、フランス料理や日本料理などはこれに視覚の要素(盛り付け・プレゼンテーションや色合いのバランス)までを動員して食する者に美味しい、と感じさせる努力をしていると考えてきました、と回答。やや従来から自分が抱いて来た味への考えを強調しすぎた感もありました。なので、私は学者ではないですが、再度関連論文やウエブサイトなどの情報を参照したうえで考察し、以下記述しておきたい。
  • まず一般的に真理だと思われるのは、人間が口にして美味しいと感じるのは、単に味覚による反応ではなく、口にしたものの風味(フレーバー)が良いためである。風味とは、味と香りの相互作用、つまりバランスの良さのことである。
  • 米味には、糖度と酸度、その比率が関係するが、それに「香り」が加わると風味がよくなって美味しくなる。香りには直接鼻で感じる香りと、食べる際口の中から鼻を抜けて感じる香りがあるので、その香りに味が合わさると美味しく感じるようになる。中には人間の感じる美味しさの80%は香りによるという説もある。80%という数字の是非はともかく、香りが美味しさに非常に重要な役割を果たしていることは確かだと考える。